技術情報
材料解析や分子シミュレーションは、高度な専門知識や煩雑なスクリプト操作が求められる分野と認識されてきました。
しかし今、こうしたハードルを大きく下げる統合GUIソフトウェアが注目を集めています。
その名は──Advance/NanoLabo(アドバンスナノラボ)。
アドバンスソフト株式会社が開発したこのソフトは、初心者から熟練者まで幅広く支持され、国内外で数百件以上の導入実績を誇ります。
Advance/NanoLaboは、アドバンスソフト株式会社が開発したナノ材料解析のための統合GUIソフトウェアです。第一原理計算や分子動力学計算を、専門的な知識がなくても直感的に行える点が大きな魅力です。
本ソフトはQuantum ESPRESSOやLAMMPSといった高性能オープンソースエンジンを実装し、材料データベースからの構造取得、モデリング、計算、結果の可視化までを一貫してGUI上で完結できます。
ソフトウェア | 従来のフロー | Advance/NanoLabo |
---|---|---|
材料構造取得 | CIFファイルを手動変換 | DBから自動取得+目的に合った構造を選択 |
モデリング | VESTAなどで作成 | 豊富なメニューから欠陥導入、スラブ構造などが容易に作成できる |
条件設定 | Scriptの作成が必要 | パラメータ選択とテンプレ適用 |
計算実行 | ローカルマシン上、サーバーでの実行を別々に設定 | ローカルマシン上、サーバーでの実行が選択できる |
結果解析 | ログ解析+別ツール | 高速に結果を即可視化 |
Advance/NanoLaboを使えば、前処理・後処理を含む全工程で効率化が可能です。
Advance/NanoLaboでは、アドバンスソフト社独自開発のNeural Network力場「NeuralMD」を活用することができます。
これにより、DFTに近い精度でありながら、大規模材料システムの計算が可能です。
ベンチマーク例
比較項目 | DFT 計算 | NeuralMD (GPU活用) |
---|---|---|
計算精度 | 高い (基準) | 古典MDより高くDFTに近い |
計算時間 | 長い (時間~日単位) | GPUを使用し大幅に短縮可能 |
大規模系への適用性 | 制限あり | 高い |
GPU活用の効果 | 限定的 | 高い (並列計算との組み合わせ) |
Advance/NeuralMDをGPUと組み合わせて活用することで、従来のDFT計算に近い精度を維持しつつ、計算時間を大幅に短縮できることが示されています。
特に、大規模な材料シミュレーションや多数の構造を扱う研究において、NeuralMDの導入は非常に有効です。
Advance/NanoLaboは以下のオープンソース計算ソフトと連携しています。
Advance/NanoLaboは、材料解析の“あたりまえ”を変えるツールです。
GUIの使いやすさ、最新エンジンとの連携、解析時間の圧倒的短縮──研究のスピードと質の両立において、高い効果が期待できます。
興味をお持ちの方は、是非お気軽にご相談ください。